小学生の英文法学習:形容詞
幼児から英語学習をしている子どもたちにとって、英語を「理屈ではなく感覚」で習得している点は、後からではなかなか身につきにくい大きなメリットです。そのまま、その力を伸ばしていく環境であれば問題ないのでしょう。
が、日本で英語を学ぶ子どもたちにとって避けては通れない
「教科としての英語」
「テストで評価を受ける英語」
その状況に入る前に
「知識を整理して、文法を理解すること」
は決して無駄ではない、むしろ大事なことなのも事実です。
今回のブログでは
1.小学生に文法学習は必要?
2.形容詞だけをとりあげる?
3.英語でどう説明する??
4.形容詞単語の意味確認
5.○○ゲームで形容詞を楽しく使う
6.理解を深める(テキストの活用)
7.形容詞を使ったActivity
について書きます。
1.小学生に文法学習は必要?
中学生になる前に、これまで身に着けた知識を一度しっかり整理する
↓
中学の学習がスムーズに開始
↓
教科としての英語に自信を持って臨める
↓
『英語が得意』
↓
その後の中学英語に対して意欲が持てる
英語は「好き」という気持ちが良い状態で継続する要素として「得意」も大事です。
2.”形容詞”をわざわざ取り上げる必要がある?
中学英語で「形容詞」に特化してじっくり学習することはありません。気づかないレベルでさらっと通り過ぎます。小学生のうちでないと、しっかり向き合うことのないものの1つです。
これまで自然に触れてきて、当たり前に知っていると思われる形容詞を、”あえて意識して使うことができるか?”と確認してみると、思わぬ勘違いがあったりするもの。また、まだまだ知らない形容詞がたくさんあることを知り、語彙力がアップします。Be動詞や一般動詞とどうつなげるか、なども非常に大事。
文を構成する要素のひとつとして形容詞を学びます。
3.英語でどう説明する??
英語教室ですので、英語で形容詞を感じ、捉え、理解し使ってみるレッスンを行います。単に「英語で文法を解説する」ということではありません。
さて、今回のレッスンではそのスタートとして
形容詞を含む既習のチャンツ音源を流しました。イントロクイズなみにすぐにフレーズ出てきますし、程よいタイミングで手拍子もありました。
みんなの中にこれまでの歌やチャンツが浸透していることがよく分かります。
♪A big black duck.
↓(分解)
・A duck
・A big duck.
・A black duck.
big やblackがadjectiveだと伝えるだけで、もちろん言いたいことは伝わります。
そこで少し理解度チェック。
私の持ち物を形容詞を使ってみんなに表現してもらいました。
・It’s a cheap pen.
・It’s a pink pen.
シンプルでいいんです。
adjectiveが何を意味するのか感じて自分で文章を作ることができることの確認です。
4.形容詞単語の意味を確認
テキスト記載の形容詞一覧の意味を確認すると、知っているものもあれば、知らないものや忘れたものも…。
A: I don’t know “huge”.
B: I know! It means “巨大な”.
↑
誰かが知っていれば、情報を共有。
C: I don’t know “necessary”.
D: I don’t know, either.
↑みんな分からなければ、辞書引き。
分からない単語がいくつか続いたとき、ある子から提案がありました。
E: I don’t know ” round”
I’m going to check “round”.
F: I’m going to check “necessary”.
↑
みんなが同じ単語を調べると時間がもったいない、と気づいた子が、自分はこれを調べるよ、と提案してくれたことでみんなが分担作業スタート。辞書引きもスムーズ。
(私的に…そうしてほしいな、と思いつつも口を挟まずに状況を見守っていたところ、自発的に提案があり、うれしい!)
E: I found it! Round means “丸い”.
私:What is the difference between round and circle?
なんて質問もいれちゃうので、辞書引きもかなり深くなります。
small/ tiny/big/large/hugeなどなど、その違うが気になる単語はけっこう多い。
・こんな意味もあるよ。
・例文見てみるとこう書いてあるよ
そんなふうにお互い学び合える有意義な時間でした。
5.”◯◯ゲーム”で形容詞を楽しく使う
「形容詞導入になにか楽しい活動ないかな…」と考えていたら思い出したのが、今回のゲーム。
多分みんな、どこかで聞いたことがあったり、やったことあるゲームです。そういうものの方が理解も速く楽しみやすいですよね。
<進め方>
お題例:my mother
(お題は子供たちで相談。私が勝手に決めても絶対盛り上がらないんですよね。基本、こうしたものは子供たちに決めてもらいます。)
A: My mother is strong.
B: My mother is strict.
C: My mother is kind.
というふうに1人1人が言っていきます。
誰かと同じであれば、同じであった人数分のポイントもらえます。
このゲーム分かりますよね。
”インスピレーションゲーム”です。
みんなの意見がそろってもそろわなくても、盛り上がります。盛り上がるって大事な要素。テンションが上がったところでテキスト学習へ。
6.形容詞の理解を深める
テキストにあるこちらの写真を見て、感想を言ってもらいました。みんなの率直な感想がどんどん出てきます。
A: It’s not good.
B: It’s bad.
C: It’s strange.
D: It’s sad. ←????という表現があれば、これはみんなで学ぶチャンスです。大人の勝手な思い込みで「それは違う」ではなく、「そういうふうに使う」と思ったそのことに寄り添うことで全体の理解が深まります。 ”sad”という言葉がどういうふうに使われるかみんなで意見交換。
“I’m sad.” は言うよね。
“He is sad.”も言う。
”人なら言える?ってことかな”
そして、It’s sadと言った子に、なぜそれを使いたかったかを確認。「お母さん、この髪型みたら悲しむよって思ったから」とのこと。なるほど!じゃあ、悲しいのはだれ?お母さん!やっぱり人が悲しいということ。(そうなるとfeel sadなどにも発展するのでそれは、子どもたちの集中力や興味に合わせて話しても良いと思いますが、この日はもうやることいっぱいで疲れていたので、サクサクと通りました。)
7.形容詞を使ったActivity
テキスト記載のActivity。
やる前は「簡単すぎるからどうしようかな」と躊躇しましたが、少し工夫するだけとても有意義な活動となりました。
そもそも、「簡単すぎるから」という考え方自体が決めつけであることも、講師として気を付けるべきポイントですよね。「形容詞」についてだけ考えるからそうなる部分でもあります。最低限の質問事項以外に必要となるコミュニケーション英語がある点も忘れてはいけないですよね。(と書きながら、そんな当たり前のことを準備段階で見失っていた自分にも反省です。)
「簡単」という思い込みで飛ばしてしまったり簡潔に済ましてしまうと、実は曖昧に理解している子供たちに気づく機会を失います。「あ、子どもたちはこれをちょっと勘違いしているのかも?」「質問の仕方が分からなくなっているな」というような部分、今回ありました。そういった部分にしっかりと気づき、丁寧に取り組む。それができるのが、中学前の小学生文法学習時間の良さ、です。
8.発表、ワークなどを終えて終了
上述の7までが1回のレッスン内容です。
2週目のレッスンでは、形容詞を使ったコミュニケーション活動、そして、プレゼンテーション。ワークブックで確認をして、理解度チェックのテストで終了です。テキストを最大限にいかす!を目指してテキスト音読、暗記で文章を書くというチャレンジも常に行っています。同時に中学向けのテキスト音読等も組み合わせているので‥‥
子どもたちの1回の学習は相当濃厚です。
それに対して、日ごろからコツコツと取り組める子が多いのがSunnyの子たち。
小さいころからの学習習慣は本当に大事ですね
7で少し触れましたが、私も常にみんなとの場があって学ぶ身であることを感じています。
こうしてブログを書くことで、自分のレッスンをしっかりと振り返る時間も大切ですし、そうした振り返りと学びを日々のレッスンで活かして、よりよい学びの場をみんなに提供したいです。