中学生になれば英文法を習いますが,それまではSunnyでは文法的な説明はしないようにしています。ルールを説明し始めたら子供たちのテンションは必ず下がりますし、きちんとした理解につながりにくいです。
ですので、Sunnyでは「何も知らない状況でいきなりスタート」して、自分たちで考えて答えを探したり、感覚で掴んでもらいます。
三単現の学習
STEP6では、少し前から三単現を扱うユニットに入っています。
*I like~ →He likes~になる
という肯定文は理解している状態で、三単現の疑問文の学習に入りました。子供たちはdoesの存在を知りません。
そこへ、いつものパターンで、突然配られるアクティビティシート。
シートに載っている12人のうち誰か1人を選び、それが誰なのかを当てるという活動です。
質問を考える
私が一枚カードを選び
This is my friend. Who is my friend?
と質問。さて、なんと質問したら答えにたどり着けるか‥‥最初が1番難しい!
”Where do you live?”
と予想通り(期待通り)の質問。
私が真顔で
”Me? I live in Nagoya.”
と答えると、一瞬の沈黙と悔しそうな表情。
そこからみんなの苦戦が続きます。
”Where do friend …?”
” Where is friend…?”
まずは質問の仕方が分からないことには活動が始められず、とにかくみんなで考えまくりです。
「こういうふうに質問するんだよ」
なんて私は教えません。みんなの様子を見ながら、最低限度に必要な情報だけホワイトボードに書き、子供たち自身で文を考えてもらいます。↓まずはこれくらいの情報。
最終的にアクティビティで必要な
Where does your friend live?
にたどり着き、子供たちは達成感のある表情。
頭で考えることは有り?
「英語のシャワーを浴びせて、理屈抜きで英語を理解して発する」
これは学習年齢・学習内容によりますので、STEP6の子たちに適したものとそうでないものがあります。日本で生きて、日本語のみ話す日常の子供たちが習得する英語は、ネイティブの子と違って当然です。
耳から入ったフレーズをそのまま真似して言うことだけでなく、理屈が分かって、納得して文字を目にして、頭で理解して…、文の構造を自分達で考えられる力も必要です。
質問の仕方は1つじゃない
この手の活動では、どう質問したら答えにたどりつけるか、クラスのメンバーの話し合いで決まります。STEP6は3クラスあるのですが、3種3様。
*「Your friendがhe sheどっちかを聞いたほうがいいのでは?」
*「Where~?の聞き方でなくても、Does ~?だけで良いのでは?」
など、意見が出れば、それに対応した英文をみんなで考える、その流れです。
絶対この聞き方でないといけない、なんてことはもちろんないんです。知りたい答えを知るために、自分の知識を使って答えを導き出すことができれば、それが正解です。
つぶやきも英語で!
アクティビティを進めるうちに英語がスムーズに言えるようになります。
が、その一方で、質問の仕方が分からない緊張から抜けると、日本語の私語も増えてしまいがちです。
私語禁止!ではなく、私語を英語にしたらなんというか、それを考えて言うことも大事です。ふと口をついて出てくるフレーズは、やはり日常必要としてるフレーズですので。
例えば‥‥
*「え?私?」
*「また、それ?やだ」
(ほかにもいろいろあったのですが、いざ書くとなると思い出せません…)
こうしたフレーズを英語にしてみると、「あ、そっか、簡単に言える」という気づきになると信じています。みんなはもうたくさんの日常フレーズを英語で言えるんです。
考えるということ
STEP6の子たちは、やはりここまで積み上げてきたものがあると実感します。分からなくても「分からない」と投げ出さず、間違いを気にせずとにかく発言します。
STEP1,2,3….とすべてのレベルの生徒さんを見てみると、「分からない」から考えることをやめて、助けを待つ子もいます。助けることは簡単ですがその子の力になりません。ヒントをもらいながらでも、自力で答えにたどりつく喜び、達成感があってこそ、次のステップへ進めるものです。
今回紹介しているこのSTEP6の子たちも‥‥「わからな~い」って丸投げだったり、涙したこともありました。今では信じられないですが。
・自分の力で考えられる人に、
・問題に直面したときに逃げない人に、
・困難に感じても必ずできる、と信じて進める人に、
そんな人になってもらいたいと思います。
Sunnyにいたことが、英語だけでない部分でもきちんと活かされることを期待しています。