小学生コース STEP6 英語辞書を使うレッスン
紙の英語辞書って最近の子はあまり使わないようです。
私が紙の辞書を使おうと言うと
*電子辞書が便利
*Siriに質問する
*英語翻訳アプリ使う
なんて意見、出ます。
けれど、私は絶対紙の辞書引き!ゆずれません。
辞書を引く理由
もちろん、”意味を調べるため”だけに辞書を引くのであれば、電子辞書でもなんでもいいんです。
紙の辞書の良さは引いた人にしか分からない!その良さ、楽しさが分かると、子供たちは辞書引きにはまっていきます。
分からないことを分からないままにしない。自分で興味を持って調べて答えにたどり着く、自己学習のできる人への1歩となります。
辞書をどんなふうにレッスンで使用するか
前回のSTEP6レッスンで辞書を使用した例はこちら。
T : How is she?
SS: She is angry!
T: She says…
そこで登場するたくさんのフレーズ。
まずは意味が分かりやすいものからスタート。
*Do your homework.
と書かれたカードを提示して、
私: What does it mean?
SS: 宿題する
私: She is angry! How do you say in Japanese?
SS: 宿題しなさい!
他にも、
*Don’t go out.
*Go to bed.
などはすぐに分かる。では続いてこれはどうだろう?
*Don’t stay up late.
S: Don’tは、するな
S: stayは、住む、じゃない?
S: upは、上?
S4: lateは遅刻。
SS: つまり何???上に住むな??遅刻したら上には住んではだめ?
みんなで大笑い。
そうなったら・・・・もう辞書を引くしかない。
S: 何を引いたらいいんだろう。
私: 何だろうね。
S: じゃあ、とりあえずstay引いてみる。
S: あった!!!①とどまる、いるだって。
もう辞書引きに慣れている子たち。
意味は①から順にどんどん目を通し、ピンとこなければ②をチェック。
②は滞在する。それもピンとこなければ、どんどん次を見る。
すると、stay upを発見!
S: stay upは(寝ないで)起きている、だって!
あ、その下にI stay up late last night.ってのがある。一緒の言葉!”私は昨夜遅くまで起きていました”、だって。
S: stay up lateは遅くまで起きている、だ。
S: じゃあ、Don’t stay up lateは遅くまで起きているな
S: 夜更かしするなってことじゃない?
そこまでたどり着くと、なんとも言えない満足感のある子どもたち。
辞書を引くのももちろんですが、引く前に推測する時間がなかなか良いものです。知らないからすぐ答えを探すのではなく、まずは考えてみる。そのうえで答えを確認する。そんな流れが理想です。
例えば
*Behave yourself
S: セルフサービスっていうよね。selfってなんだろ。自分で?
S: your selfだとあなた自分?
調べてみると、「あなた自身」
S: 思ったこと、合ってるんじゃない?すごい!
こうしてたくさんのフレーズを調べる時間は決してつまらない時間ではなく、みんなで楽しめる笑顔の時間。
全てのフレーズを理解したところで、やっと!テキストのチャンツを流しました。
聴こえた順にフレーズカードを並べる。
あっという間です。単語を調べつつ何度も何度も口ずさんでいるので当然です。
もうこの時点でチャンツ、ほぼ言えています。
さて、このチャンツ。メインフレーズの後ろでお母さんの声がずっと流れていて、うるさい・・・・。それを子供たちが指摘してきます。
「お母さんの声がうるさい!なんなの、このチャンツ」
そうそう、それ!なんて言ってるか分かる?
そこに焦点当てて、また聴いてみる。
S:Do・・・?
S:Don’t do・・・・?
S:Do this!
↓
Do this. Do that. Don’t do that.
日本語で解釈してみると・・・・
S:うわ~、おかあさん、本当にうるさい!!!
うるさいね、本当・・・
じゃあ、もう1つ!
Mom is always yelling at me.
このフレーズなんだ???
S: お母さんが私に・・・・?
S: alwaysってなんだったっけ・・・
私:Ema is always angry.(←STEP5のテキストフレーズ。)
S: あ!いつも!
S: おかあさん、いつも私に・・・なんだ?
S: yelling引いてみよう!
私: Mom is cooking all day long.(←前回学習した進行形の文章)
S: ingは取るから、yellだ!
そう分かれば、ものすごいスピードでyellを引く子供たち。
みんなより先に見つけて分かりたい!らしいです。
早く見つけた子が「へ~そっか、なるほど~」と満足しているのも見て、まだ引いてない子は「言わないで!もうすぐ引くから!」やっぱり自分で引く、自分で確認するから楽しいし、きちんと知識になる。
人から教えられて、”この単語はこういう意味です。覚えましょう”、なんて、なんともつまらないものです。
自分で調べるのはもちろん時間はかかります。
けれど、その時間は必要な時間。
今回のチャンツで調べた単語は6個程度。チャンツ内容理解、活動全て含めて10〜15分ほど。決して無駄ではない集中できるちょうど良い時間だと思います。
次回はこのチャンツの復習。
多分あっという間にスラスラ言えますが、残念ながら単語やフレーズの意味は半分くらい忘れる恐れはあります。それでも、またみんなで確認して全員が思い出せない単語があれば、また辞書を引く!面倒~って言いながら引く!でももう一度引くと忘れにくくなる!人の記憶ってそんなもの。一回記憶したからって完璧になるなんて甘いものではない。だから反復練習がいる、そう気づくのも大事なこと
学ぶ姿勢:受け身にならない!自ら動く!
学ぶ、とは人から与えられる情報を取り入れて記憶するものではなく、自分から行動して考えて得るものだと思います。
テキスト開いて、書いてあることだけ覚えて、分からなければ誰かを頼って、それでも分からなければ「知らない」と言ってしまう、そんな人にはなってほしくない、と思います。それは将来のため。自分で考えて動くことのできる人になってほしい!とっても大事なこと。辞書引き学習はそのための手段の一つ。
英語辞書に限らず、なんだろう?と思ったら辞書を引く習慣が低学年から身についていると英語辞書は当然スムーズに受け入れられます。お子さんから質問されたらすぐに答えを提示するのではなく、一緒に辞書を引く時間を是非作ってほしいと思います。