これからの時代を生きる子供たちが身につけるべき力は何だろう?

↑なんて・・・・大きなタイトルつけちゃいました。
これは、結論を提示するためのタイトルではなく、常に私が考えていること。
みなさんはどう思いますか?

英語教室を始めた当時は”英語の楽しさ”、”英語習得”に焦点を当てていましたが、年月を重ね、子供たちの成長を見守る中で、子供たちに今何が大事なのか、今何をすべきなのか、その想いは変化してきています。
大事にしたいことはたくさんあるのですが、その中の1つが
*発表の機会をもつこと
です。
発表=いわゆる”発表会”のような大きなものではなく、通常のレッスン時に行う発表(人に伝える形で発言すること)。

発表という言葉にまとめてしまうと、きちんと伝わらないのが残念です。
発表前後含めてそれに関する時間全てが大事。

発表って具体的にはどんなもの?

発表が日常的にすっかり浸透しているのが最年少クラスSTEP1クラス。
ちょっとしたactivityの最中や、チャレンジタイムなどでも、なぜか自然と前に出てきて発表形式になってしまうほどです。

☆発表するものについてみんなで考える

Draw a house.とは書かれていますが、もちろんまだ読めません。

私からの問いかけでスタート。
Q : 何をするページだろう?
SS : 絵を描く
私 : 何の絵?
SS : 好きな絵
私 : 好きな絵か〜。何を描く?
SS : おうちだと思う
私 : なんで?
SS:えーだってここに、窓とかあるから・・・・
と、みんなで話し合い。
このときも既に、発言したい人は体が自然に前に動き・・・ワークブックをみんなに提示しながらプレゼンのように意見述べていました(笑)

ワークブックに何を描くかみんなで決定したので、絵を描いてくることはおうちで。
(ワークブックが意図する答えを見つけたのではなく、みんなでこうしようと決めたことも素晴らしい!)

☆具体的な発表内容を考える

翌週はいよいよみんなの大好きな”発表”。
どんなふうに発表するかも子供たちと相談して決めます。

*名前を言う
*Helloって言う
*何歳かを言う
*絵の好きなところを言う
*頑張ったことを言う
*絵のタイトルを言う
など意見はいろいろ出ました。
英語教室だから英語だけ!ではなくて、人に伝えたいことは日本語でも良いので自分の言葉で伝えることは大事。

Hello. My name is ~.This is my house. Thank you.
という英語発表+その絵について発表したいことを日本語で言う。という内容に決定。


「頑張ったところは〜です。」→色の塗り方、ここを大きく描いた、描きたいけれど形がよく分からなかったので調べて描いたといった工夫点などなど。聞けばいっぱい出てくる出てくる!聞かないなんてもったいない、絵についてのあれこれ。

みんなからの質問タイムもあります。
Q: なぜ、ここはこの色にしたのですか?
Q: なぜ、ここにこれを描いたのですか?

質問を受けて返答する内容を聞くことで、その絵をどんなふうに描いたかがよく伝わってきます。絵を見せて、英語フレーズを言うだけでは絶対に分からなかった、みんなの気持ち。きっとそんなに深く感じ入ったのは私だけだろうけれど、流れ作業のような英語発表にならずに本当によかったと感じる時間でした。

☆発表が苦手な子はどうする?

決められた英語フレーズは言えるけれど、自分のことを話す”日本語部分”が言えない子もいます。そういうときは英語発表後に、みんなでその絵について話をします。

「絵のどこが気に入っていますか?」といった質問に答える形で自分の考えを発表したり、みんなからの感想もOKです。
私の印象に残っている感想は
「絵が大きく描けているのが良いとおもいます。煙突が枠からはみ出しているところが良いと思います。」
というもの。大人が感じるものとは違う感覚。なるほど、そうだね、本当に良いね!と納得。人から褒めてもらえるのってとっても嬉しいですよね。

発表が苦手に感じていても、きっとお互いを認め合える関係があればいつしか自然と発表を楽しめるようになるはず。

☆発表内容に愛着がもてる

発表に力を入れることで、発表に使う材料(今回で言えばこの絵)を、しっかり時間をかけて丁寧に仕上げようとするようになりました。
以前は雑でいいや~ってなりがちでした。
それは、子供の責任ではなく、それを発表したくなるように段取りできていなかった私の責任。
子供たちの力を目一杯引き出すことがこれまでできていなかったことへの反省と、これからはどう取り組むべきかを見直す良い機会となりました。

どの絵も時間をかけて丁寧に仕上げてあります。発表を聞くと、細かいところまでこだわったことがよく分かります。

☆発表は日本語でいいの!?

絶対に突っ込まれると分かっています。
英語教室なのに、なぜこんなに日本語なの?って絶対思いますよね。

開校当時は”英語のみ”にこだわっていました。
が、何が子供に大切なのか?それを常に自分に問いかけ、子供の成長を見てきた結果、
*日本に住む日本人が週に1度の英語学習で効果的に英語を学ぶために、日本語で理解する部分と英語で理解する部分は割り切って分けることにしよう
というところに落ち着きました。

もちろん英語でやるべきと思う部分はずっと英語です。
そのメリハリにも子供たちはしっかりついてきてくれています。
英語で言うべきときは一生懸命英語!

しかしそうやってせっかく言えるようになったように思えるフレーズだって・・・しばらく使わなければ本当にびっくりするほどあっさりと忘れてしまいます。
それでも英語でレッスンする部分があるのにはそれをする理由があるからですが、そこは今回おいておいて・・・・
忘れてしまう表面的な知識ではなく、後々記憶にしっかり残る、体が覚える力を身につけてもらいたい、という想いに”発表”はとても効果的です。

なぜ”発表”を大事にしているか

もうここまで読んでくださったら、なぜ私が発表を大事にしているか、なんとなく伝わりますか?
*自分で考える
*自分の意見が言える
*人の意見を聞ける
*受け身にならない
*コミュニケーション力
そういった、これからの時代を生きていく子供たちに必要な力がつく活動だと思うから、です。

発表に力を入れているから!とは言いませんが、STEP1クラス、本当にクラス雰囲気が良いんです。
*何しろ明るい!
*楽しすぎてついついふざけたくなったとき、お互いに注意できる。
*いつもチャレンジの気持ちがいっぱい
*待ち時間を無駄にせず、一緒に練習することができる
*もっとやってみたい、こうしてみようという意見が活発
*自宅での音読練習をがんばってくる
*うまくいかなくても、あきらめずにがんばれる
・・・・書いていてキリがありません。
本当に本当に毎週「みんなすごい!!」は、自然と私の口から出てくるフレーズ。

それらが”発表の効果”とは言いません。
普段の雰囲気が良いから発表がうまく行くものですし、発表で良い関係が築けるから普段のレッスンが充実したものになるものですし、相乗効果です。

STEP1に限らず、全てのクラスにおいて、人前で話す機会を多くもつことを大事にしよう!と改めて感じさせられる、つい最近のSTEP1の様子でした。

年度末発表会に向けて、全クラスで準備がスタートしています。
どんな発表にしたいのかという相談から始まり、どう発表するか、どんなアイディアを付け足すか・・・・最後の練習までクラスメンバーで協力しながら仕上げていきます。
楽しみはもちろん、少し不安もありつつ…子供たち1人1人の力、仲間との協力を信じるのみ。
普段からしっかり関わりあえる仲間だからきっと大きな発表会も大丈夫!!信じて見守る、応援したいと思っています。



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英語学習4年目になると定期的に英語劇を行っています。テキストを読んで暗記する学習だけでなく、実際の場面でどう英語を使うかをイメージしやすくなるのはもちろん、他にもメリットはたくさんあります。