英語NEWSを読む
1か月ほど前から、レッスンにて”英語NEWS”を教材として扱い始めました。
*世の中で起こっていることを知る
*世の中の出来事に関心をもつ
*知らないことを知り、知っていることを人とシェアする
*自分の意見を持ち、自分の言葉で伝える
*ほかの人の意見に耳を傾ける
テキストを使っての学習では得にくい、しかし、絶対に必要となる力の習得のためにNEWSをレッスンに取り入れることは必須だと考えています。
今回のブログでは
*英語NEWSとは、具体的にどんなもの?
*英語NEWで身に着く力とは?
というNEWSの魅力を紹介したいと思っています。
NEWS:高校生クラス
まずNEWSを読み始めたのは高校生。
普段、長文読解力は十分にあるのでこれらのNEWSを読み進めること自体は難しくない様子。
が、長文読解は設問に対する答えを探す作業であり、最終的にその長文が何を意図しているかというようなところまでは深く考える必要があまりありません。
その点NEWSは、設問に答えることが目的ではなく、書かれている内容から自分が感じたことを言葉にする必要があります。
” Predator: The Secret Scandal of J-POP “(ジャニー喜多川氏の性的虐待問題)
大きく取り上げられているNEWSですよね。
しかし、驚くことに高校生はあまりこのNEWSについて知りません。
「タイトルは知っているけど、(内容はあまり分からない)」と。
内容が衝撃的ではあるとは思いましたが、この問題を他人事ではなく自分の身に引き寄せて考える機会となってほしいと思って扱いました。
高校生の感想として
「報道関係や政治世界などでは、私たちが知らないだけで隠し事があると思う。悪いことが悪いと判断されず、うやむやになってしまうのが納得いかない。」
「性虐待というと女性が被害者のイメージがあったけど、男の人も被害者になると知った」
など上がりました。
私からは「将来もしも自分に何か起きたとき、(同じような問題ではなくても、セクハラやパワハラなど)、自分の身を守ることが大切。1人で抱え込まず誰かに相談することも必要」と伝えました。「みんなは1人ではない。心が痛んだり、1人では解決できないことがあれば、周りの人を信じて話をするという選択がある」ことが伝わってほしいと思います。
” JAXA selects two new astronauts “(JAXAで2人の宇宙飛行士が誕生)
感想:
「聞いたことはあったけど、タイトルのままの認識だったから、実際にこんな長く試験や訓練があるのは知らなかった」
「この記事を以前に読んだことがあったから理解しやすかったけど、読んでいなかったら多分難しかったと思う。普段からニュースは知っておいた方がいいと思った」など。
普段テレビやネットで見出しはさらっと目にしても、内容まで目を通す、そして考える機会はやはりあまりないもの。しかし、しっかり読んで情報を得ればそこから考えること、知識は確実に増えます。
NEWS:中3クラス
高校生とほぼ同じ時期にNEWS読み始めました。高校生のNEWSと同じものもありますが、英文が高校生用よりは短く、読みやすい単語が使用されています。
NEWSと言うと、どうしても硬い内容が多いように思われそうですが、それだけではありません。
” Lars Nootbaar is proud to represent Samurai Japan”(日系アメリカ人ヌートバー選手、日本代表に選ばれる)
読む人を温かい気持ちにしてくれる素敵な内容のNEWS。
私はスポーツにあまり関心がなく、野球の知識はほとんどありません。
あんなに盛り上がったWBCも結果は知っているけれど、詳細は知らなかったので、もちろんNootbaar選手のことは全く知らずにこのNEWSを読みました。このNEWSを読んだことで、本当に彼のステキさが心にしみましたし、もっと関心を持ってWBCを見ることができたらとても楽しかっただろうと後悔しました。
NEWSを読む前に”Do you know him?”と写真を出したら、ヌートバー選手の大ファンがいて、彼について熱く語ってくれたので知識がさらに増えました。
NEWSの最後には、日本語と英語で感想を言います。
英語だけで感想を述べてもよいのですが、言いたいことが言い切れなくなることがあります。
まずは、意見を持つこと、発することを大切にしたいので、日本語でしっかりと感想を言ってもらいます。
みんなの意見を聞いたうえで、さらに考えることなどを足しながら、最終的には英語で感想を書いて発表します。
「口パクではなくて、しっかり君が世を練習して歌ってくれてうれしい」
「(大谷選手やダルビッシュ選手のように)自分も英語を話すことで誰かと誰かをつなぐ役割をやれる人になりたい」
「ヌートバー選手がお母さんを大事に大切におもっている気持ちが伝わる」
など上がりました。
” Will the U.S. ban TikTok?” (TikTokはアメリカで禁止されるか?)
こちらもみんなの意見が活発に出て、1人1人の意見に感じることが多くありました。
「中国、というだけで悪い印象になってしまう」
「中国人だから、と決めつけるのはよくないけれど、そういった印象が持たれてしまうのはなぜだろう?」
「TikTokを責めて規制するのではなく、もっと優れたアプリを開発して、そちらを使いたくなるように努力すればいいのではないか」
「普段利用していて、何か悪いものだと思ったことはない。他の国でそんなに禁止されているなんて知らなかったし驚いた」
子どもたちの生活に普及しているものだから考えることもいろいろあったようです。
NEWS:中1.2クラス
NEWSは読解レベルを上げるためではなく、
「知ること、感じること、意見を持つこと」を大事にしたい
ので、NEWS導入したての今は小学生高学年用レベルを扱うことにしています。
まずはNEWSに慣れることが大切。
” New Zealand prime minister steps down”(ニュージーランド アーダーン首相が辞任)
初めて取り扱ったのがこのニュース。
・人気のあるアーダーン首相とはどんな人?人気の理由は?
・なぜやめるの?続けることは難しいもの?
・日本では、(働く働かないにかかわらず)女性が出産することって難しいと思う?
などたくさんの質問を投げかけ、みんなの意見を聞きました。
1週おいて、翌週考えを発表してもらうと、
「アーダンさんはこういうこと(実例を発表)をしたから人気があると分かった」
「日本で出産することについては、女性が出産しやすい仕組みがいろいろあるから、難しくはないと思う」
「女の人にとっては出産、育児は大変だってニュースとかできくから、難しい気がする」
みんなで意見を出し合う中で、そうか、そんな意見もあるなと感じるところがたくさんありました。
”Japan’s Children and Families Agency has begun”(こども家庭庁が発足)
こちらのNEWSもなかなか興味深い意見が出ました。
「子供家庭庁って知らない」
「庁と省って何が違うんだろう」
などの疑問からスタートして、NEWSを読み進めることで、こども家庭庁が取り組む課題を知ることができました。
少子化、いじめ、虐待、貧困‥‥
言葉は分かるけれど、それって具体的にどういう問題のこと?
日本は先進国なのに、7人に1人は貧困状態にあるという事実はなぜ起こるんだろう?
貧困ってなんだろう?
中1.2クラスは普段使用しているメインテキストが優先なので、どうしても1回のレッスンでNEWSをやり終えられず、感想や調べることは宿題としています。
そうすると、本当に熱心に調べてきてくれる子が多く、その発表内容からもまたみんなが考えを膨らませることができました。
その場で感じることを言うことも大切ですし、時間をおいて、何かもっと情報を得ながらじっくり考えることも良いことだと思います。
NEWS:小学高学年クラス
小学5.6年生のレッスンでは、今週初めてNEWSを取り入れました。
NEWS英文レベルはもう少し下げて、小学生低学年用を利用しました。
“The G7 Hiroshima Summit”(G7サミット、なぜ広島で?)
「G7サミット」という言葉はみんなすぐに「知っている!」となりました。
テキストやリーディング本とは異なる内容に少し戸惑うかなと思いましたが、みんなで話をしながら楽しく読めました。
「G7サミット、テレビで見た」
「広島は原爆が落とされたんだよね」
「広島のことはあまり知らない」
「カナダの首相はかっこいい」
NEWSを読んで
・G7の国ってどういう国なのか?
・原爆・核兵器について
・ロシアとウクライナについて
など、自由に意見を出し合いました。
次回も引き続きG7について読む予定です。
今週のNEWSを読んだことで、もしかしたら何か普段の生活の中で気になる情報を得ることがあるかもと思っています。次回のNEWSでのみんなの意見も楽しみです。
☆このNEWSに関しては音声+写真が見られますので、良かったら見てみてください→https://youtu.be/nb_kYeY1hU0
NEWSの効果に期待
冒頭にも書きましたが、Sunnyがこの教材を使う理由は
*世の中で起こっていることを知る
*世の中の出来事に関心をもつ
*知らないことを知り、知っていることを人とシェアする
*自分の意見を持ち、自分の言葉で伝える
*ほかの人の意見に耳を傾ける
こと。
日ごろあまり興味関心を持ってNEWSを見る機会が少ない様子の子供たち。
教室でみんなで英語NEWSを読み、日本のみならず世界に目を向けてもらうきっかけになるとうれしいです。
NEWSは決して硬い難しい話ではなく、自分をとりまく環境に身近にあることを教えてくれるもの、気づかせてくれるものです。
みんなで意見を交換しながら、さらにより身近なものとして、日ごろから興味関心を持ってもらえたらうれしいです。
保護者の皆さまへ:ご家庭でも、今週はどんな英語NEWSを読んだの?というお話をしてもらえたらうれしいです。
補足:
NEWS教材として使用させていただいているのは、
「椿由紀先生の”やさしい英語ニュース”」です。→椿由紀のやさしい英語ニュース (yuki-tsubaki-news.com)